演出家みなさんに特徴があるんです
宝塚歌劇団を語るには外すことのできない“演出家”
宝塚歌劇のお芝居やショーなど、すべての演目に演出家の手腕が発揮されます。
そして、演出家の方々はたくさんいまして、みなさんに特徴があります。
今回は、
・宝塚歌劇団の演出家一覧
・特徴 / 代表作
を紹介します!
植田紳爾
出身校:早稲田大学
デビュー年:1957年
宝塚歌劇団の代表作『ベルサイユのばら』や『風と共に去りぬ』の演出を手がけた植田紳爾先生。
様式美を重んじた演出が特徴で、宝塚歌劇における古典を確立した巨匠と呼ぶべき演出家です。
小原 弘稔
デビュー年:1960年
2014年に「宝塚歌劇の殿堂」における最初の100人のひとりとして表彰され、殿堂入りしている小原弘稔先生。
1956年に宝塚歌劇団に入団し、1960年に「新・竹取物語」の演出で、大劇場の演出家デビューを果たします。
また、何度も再演がされている「ME AND MY GIRL」初演の脚色・演出を手掛けたことでも知られ、初演当時の新人公演では当時研究科1年の天海祐希を主演に抜擢しました。
柴田 侑宏
出身校:関西学院大学
デビュー年:1961年
現在に至るまで度々再演を繰り返すほど、数多くの名作を生み出したことで知られる柴田侑宏先生。
代表作は『あかねさす紫の花』や『仮面のロマネスク』など。
歴史物や文学作品の舞台化に定評があり、男女の心の機微を描写することに長けた演出家です。
2019年7月にご逝去されましたが、柴田侑宏先生の作品は今後も宝塚歌劇の宝として引き継がれていくでしょう。
酒井 澄夫
出身校:早稲田大学
デビュー年:1965年
日本物から洋物まで、様々な世界設定の華麗なるレビューを数多く手がけてきた酒井澄夫先生。
レビュー以外にも、併演となる芝居作品や海外ミュージカルの演出を手がけるなど、早くから多岐に渡り活躍していた演出家です。
代表作は『ガイズ&ドールズ』や『セ・マニフィーク』など。
岡田 敬二
出身校:早稲田大学
デビュー年:1967年
ロマンティックなレビュー作品に特化した演出家、岡田敬二先生。
「清く正しく美しく」の精神を感じさせる爽やかな気品が漂う、華やかなレビューが特徴です。
代表作は『シトラスの風』や『ル・ポアゾン 愛の媚薬』など。
草野 旦
出身校:甲南大学
デビュー年:1971年
ショーやレビュー作品に特化した演出家の1人。
宝塚歌劇のショーやレビューは欧米を舞台とした作品が多い中、西サモアを題材とした『パパラギ』や、カリブ海域を描いた『タカラヅカ絢爛』など、エキゾチックな薫りが漂うショーやレビュー作品の演出が魅力の演出家です。
何度も再演を果たしている大人気のショー『ノバ・ボサ・ノバ』の演出を担当していたことも。
三木 章雄
出身校:早稲田大学
デビュー年:1980年
海外ミュージカルの潤色・演出やショーやレビュー作品の演出に長けている三木章雄先生。
明るい作風が持ち味で、大衆娯楽劇として気兼ねなく楽しめる演出が強みです。
代表作の『ME AND MY GIRL』は、笑いあり涙ありのハッピーなミュージカルで人気を博し、幾度も再演を果たしています。
正塚 晴彦
出身校:日本大学芸術学部
デビュー年:1981年
正塚晴彦先生の作品は、男役同士の友情やハードボイルド要素を取り入れた作風が最大の特徴です。
また、演出作品はほぼ完全オリジナル作品として、0からストーリーを作り演出しています。
代表作には『メランコリック・ジゴロ-あぶない相続人-』などがあります。
中村 暁
出身校:同志社大学
デビュー年:1985年
ショー作品、ミュージカル作品共に手がけるベテラン演出家である中村暁先生。
バウホール公演作品や、ディナーショーの演出を数多く手がけており、小劇場だからこそ活きる丁寧な演出、生徒個人の長所を引き出す演出に定評があります。
最近では、柴田侑宏先生の作品の演出を手がけることも。
代表作は『マノン』や『VIVA! FESTA!』など。
小池 修一郎
出身校:慶應義塾大学
デビュー年:1986年
今や、宝塚歌劇団の筆頭格と言うべき演出家である小池修一郎先生。
潤色の才能が突出しており、これまで数々の海外ミュージカルや映画、漫画、文学作品などを宝塚歌劇で舞台化し、大成功を収めてきました。
代表作は、やはり『エリザベート』!!
谷 正純
出身校:日本大学芸術学部
デビュー年:1986年
随所に深いこだわりを感じさせる日本物の芝居作品を、数多く手がけている谷正純先生。
日本物だけに留まらず、ブロードウェイミュージカルの潤色や、オペレッタを題材としたミュージカル作品の演出など、幅広い芝居ジャンルを手がけるベテラン演出家です。
代表作は『こうもり …こうもり博士の愉快な復讐劇…』などがあります。
石田 昌也
出身校:玉川大学
デビュー年:1986年
心温まる人間ドラマを描写することに長けている石田昌也先生。
コミカル要素を含んだ昭和の人情劇や、幕末時代をロマンティックに描き出す演出が支持されています。
新選組への造詣がとても深く、様々な作品で新選組隊士を魅力的に描いています。
代表作は『銀ちゃんの恋』や『誠の群像』など。
木村 信司
出身校:早稲田大学
デビュー年:1993年
ファンから親しみを込めてキムシンという愛称で呼ばれている木村信司先生。
大胆且つ奇抜な演出が話題となることが多い演出家ですが、壮大なスケールで描かれるオペラ作品の舞台化で、その手腕を発揮しています。
代表作には『王家に捧ぐ歌』や『鳳凰伝 -カラフとトゥーランドット-』などがあります。
中村 一徳
出身校:同志社大学
デビュー年:1994年
レビュー作品の演出や海外ミュージカルの潤色・演出を中心に活躍している中村一徳先生。
トップスターのサヨナラ公演にあたるレビュー作品を担当することも多いです。
代表作は『ファントム』や『雨に唄えば』など。
藤井 大介
出身校:日本大学芸術学部
デビュー年:1997年
ショー作家として今最も人気のある演出家と言って過言ではない藤井大介先生。
エネルギッシュで、舞台と客席が一体となって盛り上がることができる演出で、人気を博しています。
トップお披露目公演やサヨナラ公演など、重要な公演での演出を担う機会が多く、今注目の演出家の1人です。
代表作は『EXCITER!!』や『Apasionado!!』など。
植田 景子
出身校:神戸女学院大学
デビュー年:1998年
宝塚歌劇団における初の女性演出家として入団したことで知られる植田景子先生。幻想的な舞台セットのこだわりや、女性ならではの繊細な視点から描く作風で評価を確立しています。代表作は『THE LAST PARTY』や『ハンナのお花屋さん』など。
齋藤 吉正
出身校:東京農業大学
デビュー年:1999年
アニメソングの登用など、型破りな演出で注目を集めている齋藤吉正先生。
ショー作品とミュージカル作品の双方で活躍している、器用さの光る演出家です。
代表作は『満天星大夜總会』や『JIN-仁-』など。
大野 拓史
出身校:京都造形芸術大学
デビュー年:1999年
日本物の芝居作品を数多く演出している大野拓史先生。
雅やかで華麗な舞台美術に大きなこだわりを感じさせる演出家です。
代表作は、『新源氏物語』などがあります。
鈴木 圭
出身校:玉川大学
デビュー年:2003年
ゲーム作品を宝塚歌劇で舞台化し、おおいに話題を呼んだ鈴木圭先生。
スクリーンの映像を舞台背景として使用した演出など、近代的な演出が魅力の方です。
代表作には『逆転裁判』シリーズや、『戦国BASARA』などがあります。
小柳 奈穂子
出身校:慶應義塾大学
デビュー年:2002年
女性視点に重きを置いた、胸が高まるラブコメディの演出に定評がある小柳菜穂子先生。
舞台衣装やセットなどにも、現代的な要素を大きく取り入れており、女性ファンの“萌え”の感情を引き出すことに長けている演出家です。
代表作には『めぐり会いは再び』シリーズや『アリスの恋人』などがあります。
稲葉 太地
出身校:日本大学芸術学部
デビュー年:2006年
ハイクオリティなショーやレビュー作品を数多く手がけ、人気を集めている演出家、稲葉太地先生。
生徒個人の魅力を最大限に活かした演出が光り、観劇満足度が高い作品が多いです。
代表作は『宝塚幻想曲』や『GOLDEN JAZZ』など。
2020年には一本物ミュージカル『アナスタシア』の演出が決定し、益々注目が集まっています。
生田 大和
デビュー年:2010年
現在演出家として成長が目覚ましい生田大和先生。
2019年には、『CASANOVA』でオリジナルの一本物ミュージカルとして大劇場公演の演出を手がけました。
代表作は『春の雪』や『ドン・ジュアン』などがあります。
原田 諒
出身校:同志社大学
デビュー年:2010年
デビュー以降、芝居作品における高い構成力が評価され数多く意欲作を上演している原田諒先生。
宝塚の演出家としては若手にも関わらず、外部公演も手がけています。
代表作は、専科の轟悠を主演とした『For the people-リンカーン 自由を求めた男-』や、実在した戦争写真家を主役に描いた『ロバート・キャパ~魂の記録』などがあります。どちらも読売演劇大賞・優秀演出家賞を受賞しました。
田渕 大輔
デビュー年:2012年
若手演出家の一角、田渕大輔先生。
小劇場公演で確かな評価を得た後、大劇場デビュー作がいきなりトップ娘役サヨナラ公演となるなど、注目を集めました。
オードリー・ヘップバーンの代表作『ローマの休日』をミュージカル化して成功を収めたエピソードもあります。
この作品は、自身にとっても代表作となりました。
上田 久美子
出身校:京都大学
デビュー年:2013年
オリジナル作品を生み出す才能が突出している新進気鋭の演出家、上田久美子先生。
デビューからの年数を見ればまだ若手に分類されるべきにも関わらず、上演する作品全てがヒットし大きな話題に。
斬新な着眼点と隙のない構成力で高い評価を受けています。代表作には『星逢一夜』や『BADDY-悪党は月からやって来る-』などがあります。
野口 幸作
デビュー年:2013年
新進演出家ながら、小劇場でのミュージカル作品と大劇場のショー作品を手がけ、宝塚らしい華のある演出で注目が集まっています。
代表作には『BEAUTIFUL GARDEN −百花繚乱−』や『花より男子』が挙げられます。
樫畑 亜依子
デビュー年:2016年
まだ演出家デビューから間もないフレッシュな演出家、樫畑亜依子先生。
バウホール公演『鈴蘭(ル・ミュゲ) —思い出の淵から見えるものは—』や『Arkadia-アルカディア-』を手がけており、これからの成長と活躍が楽しみな新人演出家です。
谷 貴矢
デビュー年:2016年
フレッシュな若手演出家の一角を担う谷貴矢先生。近未来要素を取り入れたファンタジックな作風で注目を集めています。スター揃いで知られる95期の人気男役、朝美絢の単独初主演となったバウホール公演『義経妖狐夢幻桜』は好評を博しました。
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