ヅカ男子っぽく公演の感想を書きたいなって思います。
宝塚歌劇が好きになって2年半…今まで観た公演(DVD等も含む)のレビューを書いていきたいなって思います。今後、これ観て少しでも興味とか持ってくれる人いたら嬉しいなぁ(笑)
まず記念すべき(!?)最初のレビューは、2014年星組公演『眠らない男 ナポレオン-愛と栄光の涯に-』です!こちら、初めて観た宝塚の演目で、自分を宝塚にハマらせた想い出の公演でございます。
宝塚歌劇100周年記念の大作
こちら、宝塚歌劇100周年目の記念すべき一作目です。節目の公演というだけあって、壮大!脚本は小池修一郎さん、そして作品テーマは『ローマ皇帝ナポレオン』、専科の多くの方々が出演!という公演でした。
初観劇の作品ということで、お衣裳や舞台装置の豪華さ…というのは圧巻でした。あの壮大さを生で観ると宝塚すごい!(小学生並の感想)と感じますね。
初観劇を終えて、宝塚を好きになって宝塚を知って時間が経ったからこそ、100周年の始まりとして意気込みが感じられました。
スターさんの美しさを認識できた演目!
今回の作品テーマは『ローマ皇帝ナポレオン』、タイトルにも「眠らない男」と入っておりますね。
しかし…内容としてはちょっとタイトルから離れていた感は否めない…。というのもイメージでは、革命期~没落期までのナポレオン主体のイメージがございました。
実際は(宝塚歌劇という性質上仕方がないのですが)、ナポレオンとジョセフィーヌの関係がメインになっていたので、少々ナポレオンが愛に気持ちが振り回されている感が出てしまっていた部分があったかなっと。せっかく宝塚という素敵な男役さんがいる部隊ですので、ナポレオンの英雄記のようなものに焦点を当てた内容(重々しくも男の争い)でも良かったかなぁって思います。
舞台の始まりもナポレオンの息子が、かつてのナポレオンの部下に”父ナポレオンの本当の姿を教えてほしい”という場面から始まりますので…
(2時間30分という短さの中で演出できる内容に限界があるのも分かりますが…)
とはいったものの、スターさんの演技や歌など美しさが前面に出ていて良かったと思います。その中で2名紹介を!
・ナポレオン(柚希礼音)
言わずと知れた星組トップスター柚希礼音さん。今回はナポレオンを演じておりました。今回は、“ナポレオンの変化”これを見事に演じられていたと思います。当演目の序盤は、革命期において変革を模索し続ける若きナポレオン、そして終盤は皇帝となったナポレオン(そして凋落)の物語です。
序盤において柚希ナポレオンは“愛においても一筋で情熱的なまっすぐな青年(部下からも慕われ)”を演じ、歌唱面でもナポレオンの葛藤がひしひしと伝わってきました。そして皇帝となった後は”自らが正義”の基、他人の声を聴かず凋落への一途を辿る….戴冠のシーンでは一種の怖さが表現されておりました。
最後の凋落の場面では、ナポレオンの周りからすべての人が離れていくのですが、柚希ナポレオン…周りが離れつつも自らを正当化しているのだなっと、「恩知らずの裏切者」と部下のミュラーに迫るシーンがあるのですが、慢心の末の人間性が伝わってきました(今の状況を客観的に見られず、今までのお前は俺がいたからこそ…といった想いですかね…??)
・タレーラン(北翔海莉)
専科所属の北翔海莉さん。歌・踊り・演技の三拍子が揃ったスターさんです。陰の主役…今回の演目ではそう印象を受けました。タレーランは全ての黒幕という描かれ方をしておりまして、その根底の価値観が”国家のため”とあり、ナポレオンへの協力、そして裏切りがありました。
そのいった役のなかで、北翔さんが見せる笑み…腹黒さ、何かを秘めている不敵な笑み…を肝心の場面で見せてくれるのです。そして序盤終盤ナポレオンとの掛け合いがあるのですが、序盤はナポレオンを利用すべく本心を隠しております。目的のために本心を隠し他人を利用する強かさが強く表現されておりました。
そして終盤…凋落の場面では、一転、ナポレオンを見切ります。民衆の不満、そしてナポレオンを皇帝から引きずりおろす…これを歌に乗せていたのですがタレーランの執念といいますか念の深さ、底深い狡猾な人間模様が一気に吹き出しました。ナポレオンから見れば一つの悪役でありますが、これを終始演じられておりました…
以上なのですが、宝塚初観劇の作品がナポレオン、そして初購入DVDもナポレオンなのです(笑)
芸術作品というのは、人に感性がある以上、ぞれぞれの感じ方・受け取り方がある上、このナポレオンも色々な感想があるみたいです(当然ですが)。自分にとっては、宝塚歌劇を好きになるきっかけとなった初めての作品…想い出に残る作品ですね!
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