少年時代からヅカファンだった生田先生
今伸び盛りの演出家の1人である生田大和先生。
その繊細で美しい演出に魅せられたファンも数多くいます。
今回は、生田大和先生の演出の特徴や代表作について解説します!
生田大和先生の歴史
生田大和先生は、2003年に宝塚歌劇団に演出助手として入団を果たします。
新人公演の演出などが続いた後、2010年に花組バウホール公演『BUND/NEON 上海』で演出家デビュー。
中国マフィアを題材とし、主演に朝夏まなと、2番手役に望海風斗を配役した構成が2人の個性ともよく合い、話題に。
2012年には月組バウホール公演『春の雪』を上演。
三島由紀夫の大作「豊饒の海」の第1部を原作とした作品で、耽美な世界観が主演を務めた明日海りおの持ち味と見事にハマり、大好評を博しました。
いくつかのバウホール公演の演出を手がけた後、宝塚歌劇団創立100周年の節目である2014年に花組大劇場公演『ラスト・タイクーン -ハリウッドの帝王、不滅の愛-』で大劇場公演デビューを果たします。
フィッツジェラルドの原作をミュージカル化したこの作品は、トップスター・蘭寿とむのサヨナラ公演として、主演の大人の魅力たっぷりに演出しました。
また、同2014年には雪組日生劇場公演『伯爵令嬢 -ジュテーム、君を愛さずにはいられない-』を上演します。
新トップコンビとなった早霧せいなと咲妃みゆのプレお披露目公演となるこの作品は、少女漫画を題材としており、ときめきに満ちた演出で新しい門出にぴったりでした。
宝塚歌劇への注目が高まった創立100周年の節目に、新進演出家としておおいに活躍した生田大和先生。
2016年には宙組大劇場公演『Shakespeare 〜空に満つるは、尽きせぬ言の葉〜』を上演。
これまで、原作のある作品の舞台化が多かった生田大和先生ですが、この作品ではシェイクスピアの半生を描いたオリジナル作品として、演出を手がけました。
また、同じく2016年に、雪組シアタードラマシティ公演『ドン・ジュアン』を上演。
この作品は海外ミュージカルを潤色・演出した作品となり、主演の望海風斗の陰りある色男ぶりがハマり、おおいに話題を集めました。
確かな評価を得たことから、『ドン・ジュアン』は外部公演でも上演が決定します。
2019年にKis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔主演で赤坂ACTシアターにて上演し、好評を博しました。
2017年には雪組大劇場公演『ひかりふる路 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』を新トップコンビ・望海風斗と真彩希帆のお披露目公演として上演。
革命家、マクシミリアン・ロベスピエールの生涯を壮大に描いた物語を、ブロードウェイミュージカルも手がけるフランク・ワイルドホーンによるドラマティックな楽曲で演出。
トップコンビの歌唱力を活かした作風で好評を博しました。
2019年には、花組大劇場公演『CASANOVA』を上演。
18世紀のイタリアのプレイボーイ、ジャコモ・カサノヴァを主人公とし、トップスター・明日海りおの爽やかな色香を活かした演出が光りました。
楽曲は、『1789』などで知られるドーヴ・アチアが担当し、華やか且つポップな喜歌劇として人気を集めました。
この公演で退団したトップ娘役・仙名彩世の実力を随所に堪能できる演出も素敵でした。
また、同2019年には星組トップコンビ、紅ゆずると綺咲愛里のプレサヨナラ公演としてシアタードラマシティ公演『鎌足−夢のまほろば、大和し美し−』を演出。
大化の改新の立役者、中臣鎌足の半生をトップコンビの心の触れ合いと重ねて描き出し、客席の涙を誘いました。
ご自身もタカラジェンヌに憧れていた?!生田大和先生の面白エピソード
生田大和先生は、少年時代から宝塚ファンだったことで知られています。
その過去を辿ると、なんと宝塚歌劇に憧れてバレエを習っていたこともあったとか。
写真や映像で生田大和先生を見て、その姿勢の良さやスレンダーなスタイルに着目したファンもいるかと思います。
男性でありながらもタカラジェンヌに憧れるピュアな感性が、生田大和先生の演出の魅力につながっているのかもしれません!
生田大和先生演出の特徴
生田大和先生の特徴としては、文学作品を題材とした演出、史実を元にした演出が多く、緻密に構成を練られる印象です。
また、近年では大物作曲家に楽曲依頼をかける機会が多く、ドラマティックな楽曲で綴られるミュージカル形式に特化した作風に力を入れている傾向があります。
海外ミュージカル『ドン・ジュアン』を日本初演として潤色・演出したり、大劇場の一本物として『カサノヴァ』を演出したりするなど、大作ミュージカルへの演出意欲をおおいに感じます。
生田大和先生演出の代表作
代表作を挙げるとすると、1つ目は『春の雪』でしょう。
明治末期を描いた三島由紀夫の小説を、原作の耽美且つ繊細な世界観をそのままに舞台化し、高い評価を受けました。
主演の明日海りおが持つ元来の端整さと主人公・松枝清顕の屈折した美しさが見事にハマり、明日海りおの当たり役ともなりました。
2つ目は、外部でも上演した『ドン・ジュアン』。
望海風斗の歌唱力と、黒が似合う男の色気を存分に活かした演出も特筆すべきですが、海外ミュージカルを日本初演として潤色・演出し、成功を収めた実績は今後の活躍の幅をおおいに広げたと言えるでしょう。
まとめ
演出家として伸び盛り真っ只中にいる生田大和先生。
文学的な繊細さが光る演出から、ミュージカルならではの楽曲へのこだわり、壮大さに特化した演出など、多彩な感性が魅力の演出家です。
次の作品にも期待がかかります!
コメント