再演…さまざまな組により、重ねて上演をされ続ける名作。
宝塚歌劇にも数々の演目がありますね。
例えば『ベルサイユのばら』
1974年に月組にて上演後、さまざまな組、そして『オスカル編』『フェルゼンとマリー・アントワネット編』という2シリーズで再演が繰り返されています。
まさしく時代を越えて愛される作品……再演されるというのはやはり名作・人気ということだからでしょう。
しかし、再演策だからこそ感じることもあります。
それは“過去作との比較”
今回は実際に、筆者が実際に体感した”再演だからこそ思うこと”など、再演について思うことを綴ります。
エリザベート、平成時代における最大ヒット作
先述のベルサイユのばら(=以下、ベルばら)は、宝塚歌劇の看板作といっても過言ではないのでしょう。
フランス革命期を描き、純愛模様もあり、そして舞台の美しいダンスや歌の数々。
まさしく、昭和時代の宝塚歌劇歴史の象徴となる作品の一つ。
それでは、「平成時代の宝塚歌劇歴史を語るのに外せない作品はなにか」となると…
間違いなく『エリザベート』が入るのではないでしょうか。
1996年の雪組上演から、2016年の宙組公演まででなんと通算上演回数1000回。そして、2018年には月組でさらに再演を重ねています。
再演作はどうしても評価が厳しくなってしまう
そのように厳しい目で見てしまうのはいろいろな理由があるとは思いますが、
- 初演は確実に評価されている
- 思い出補正
これら2つは中でも大きいのかな、なんて思います。
初演は確実に評価されている
まず最初は初演ですよね。
再演作の原点となる作品。
ここから、上演が繰り返されるということは間違いなく素晴らしい公演で評価を受け取っていたということ。
生で観劇した人はもちろん、Blu-rayやDVDなどの映像で観劇した人は、その完成度の高いステージの記憶がきっと頭に残っているのではないでしょうか。
そう考えると、至高といっていいほどのステージを観てしまっては、ハードル…そもそもの期待の基準値が高くなってしまいますよね。
思い出補正
初演のときにはまだ宝塚ファンじゃなかった…なんて方も多いのではないでしょうか。
特にベルサイユのばら、平成に入ってもエリザベートがまさしくそういう方も多そう。
「宝塚にハマったスターさんで上演した〇〇」
「たまたま見に行った〇〇で宝塚にハマった」
など、色々なタイミングで人それぞれ思い出はあるもの..そしてその記憶は大切なもので、そして時が経つと更に尊くなるんですよね。
そうした、思い出補正の作品で再演された時、やはり思い入れも相まって以前の作品への感動度合いのほうがより強くなるんですよね。
宝塚歌劇で繰り返される再演≒歌舞伎
演出家の小池修一郎先生が、毎日新聞での記事にてこのように仰っていました。
歌舞伎や古典バレエのように、スタイルが決まっているからこそ演者の違いが明確に見えておもしろい
引用:宝塚「エリザベート」 今なお進化 色あせない魅力とは
これを読んだ瞬間、「まさしくそうだな」と。
先述、再演だからこそ評価が厳しくなっていると書きましたが…その反面、ファンはすでにこういう楽しみ方もしているというのは間違いなくありますよね。
この“面白さ”と”厳しい評価”は表裏一体なのかな、と。
とはいえ、演じるタカラジェンヌ、舞台を作る方々はそんなこと百も承知……プレッシャーと戦いながら、その組(上演時の)独自の作品となるべく研鑽されているのかな、なんて思いました。
おそらく今後も様々な作品が再演されるとは思いますが、いろいろな観点から自分も楽しんでみたいな、なんて思います。
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