感想をお届けするのは、東京宝塚劇場にて上演の雪組公演 『ひかりふる路(みち) 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』です!
2018年1月2日…東京宝塚劇場にとって新年初の上演となった雪組公演。
私も、2018年の宝塚歌劇初めと共に上演初日となった本公演を観劇しに行きました!
本公演は、
・お芝居:『ひかりふる路(みち) 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜
・ショー:『SUPER VOYAGER!』
の2本立てでしたが….どちらも素晴らしかった、美しかった!!!
ので、まずはお芝居である『ひかりふる路(みち) 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』の感想を綴りたいと思います!
※ネタバレあります
追記:1/8 ショー『SUPER VOYAGER!』の感想を更新したので本記事の後にぜひ読んでいただけたら嬉しいです。
新トップコンビ『望海風斗&真彩希帆』の大劇場お披露目公演
感想の前に…..本公演は雪組新トップコンビ『望海風斗&真彩希帆』の大劇場お披露目公演!
- キザなカッコよさを漂わせる雰囲気に抜群の過料力の新トップスター『望海風斗』
- 透き通る歌声、惹き込む歌唱力の新トップ娘役『真彩希帆』
間違いない歌うまコンビ…!!新トップにはいつも期待と応援の想いがありますが、中でも楽しみな新トップコンビの誕生です。
ちょうど私がヅカファンになった当時は望海風斗さんは当時花組でした。
それから色々と宝塚歌劇について知るようになり、退団や就任を何度か見て…..「そして当時の輝いていた方がとうとうトップに」と、改めて自分自身の宝塚ライフも思い返しました。
ちょっと話は逸れましたが本公演….その歌うまコンビの魅力がいかんなく発揮された公演でした。
悪役”ロベスピエール”が主役の物語
『ひかりふる路(みち) 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』
のタイトル通り、本作の主役は『ロベスピエール』…フランス革命期の舞台を多く扱っている宝塚歌劇を観ているファンにはお馴染みの実在の人物。
そしてその描かれ方は「悪役である」ということ共に…。自身の反対派を次々と処刑し、恐怖政治を敷いた存在として有名です。
だからこそ、本当に最初は驚きましたね。「ロベスピエールが主役に…!!しかも、だいもん(望海風斗さん)の大劇場のお披露目に…!!」といった感じに。
しかし、実際は”悪役”としての側面ではないところも描かれたお芝居でした。
志を一つに共に立ち上がった仲間達との絆、運命的なロマンス・・・その青春を賭し、理想に燃えた青年が革命の頂点へと邁進する姿を通し、彼が掲げた「自由・平等・博愛」に込められた思いを紐解き、人類の歩むべき路を問いかける歴史ミュージカルです。
引用:http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2017/hikarifurumichi/index.html
「仲間」「ロマンス」「青春」といったロベスピエールからは想像できないような物語となります。
美しい音楽と共に「純粋な青年が狂気を抱きしめるまで」を描く
さて、そんな望海風斗さん演じる『ロベスピエール』の物語。
ブロードウェイの作曲家…特に宝塚歌劇では『スカーレット・ピンパーネル』で名を馳せるフランク・ワイルドホーン氏が曲を手がけています。
お芝居の始まりから終わりまでその旋律は美しく、それに乗せただいもんやきほちゃんの歌声はベストマッチでした。
「惹き込まれる」というのはまさしくこのこと…舞台を観ているのにも関わらず、耳に全神経が行きそうなほどでした。
さて、その音楽共に進むストーリーは…明るいものとは言えません。
冒頭からギロチンが出てきますし、ルイ16世への処刑が決まる瞬間もある種の全体狂気ですし、最終的には「恐怖政治が必要」とロベスピエール自身が自ら進めるほどですし。
ストーリー展開としては、革命を果たそうと邁進するロベスピエール(望海風斗)。
そのカリスマ性で民衆の代表として、ダントン(彩風咲奈)やデムーラン(沙央くらま)といった友人であり同士と共に革命を進めてきます。
それは、ルイ16世の処刑という諸外国にも衝撃を与えるところまで進みます。
革命の順調な進みように浮かれだつ革命派……しかし、その革命は反対に「ある側」にとっては憎悪が増すばかり。
それは「貴族」…貴族というだけで革命派から弾圧される時勢。そんな折、貴族であるマリー=アンヌ(真彩希帆)が、父親や周囲の人を処刑されたとして、革命の象徴であるロベスピエールへ恨みを持ち、自らの手で復讐しようと近づきます。
しかし、それは失敗….それどころかロベスピエールとマリー=アンヌは恋心が芽生え始め…。
そして動き出す情勢。
ロベスピエールは世界情勢や陰謀に巻き込まれ、それはだんだんと彼の魂を狂気へと誘います…。
ロベスピエールは純粋なのでは?と感じずにはいられない
ダークな感じ、雰囲気で進むストーリー。
ただその中で感じること…それは“ロベスピエールは純粋な青年であったのだろう”ということ。
元々「自由・平等・友愛」と民衆と共に革命を目指していた…つまりは、簡単に言えば「良き社会」を目指していたということ。
理想を掲げる純粋な、多くの人を想う心はあったはず。
しかし、「理想」と「それぞ実現させてくれない現実」でもがいていたのでは。
そして自分で見つけた“恐怖政治”という道….悩みつつもその方針を進めるにしたがって自分の過ちを認められず、引き返せず…
狂気をわかりつつも狂気へ身を堕としたことを感じました。もしかしたらもう少しやり方を考えられたら、時代が違えばロベスピエールは今のイメージとは真逆のイメージで名を馳せたのではなかろうかと感じずにはいられません。
可能であれば一本モノで観たかった…けど!!
お芝居の流れは、テンポよく進み、先述の通り音楽・歌声も綺麗で迫力があり、演技も惹き込まれます。舞台装置もギロチンを想起させる演出があったり、お衣装もしっかりとフランス感があったりで納得のいくものでした。
しかし、マリー=アンヌの『恨み→好意』といったような心理描写、他の役柄についてももう少し深く演出されていたら、より感情移入できていただろうな…というのも正直な感想です。
もちろん、95分というのは決まりなので仕方ないのですが、素敵な作品…だからこそ一本モノとして観たかった想いがあります。
しかし…ショーとなる『SUPER VOYAGER!』も素晴らしかったので複雑な気持ちが←
以上、ストーリーをメインに『ひかりふる路』の感想を綴りましたが、キャストについて、また『SUPER VOYAGER!』についても追って感想を書いていきたいと思います!
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